深淵が深遠しているブログ

個人的にヘルスケア・フィットネスについて思いつく限りに語っていきます。

プロスタグランジンとは。どんな機能を持つのか

プロスタグランジンの活性をブロック……そんな文字が痛み止めに書かれている。そもそもプロスタグランジンって何?

と検索をすぐにかけているだろう。

 

 

【プロスタグランジンは生理活性物質】

 

簡単に言えば肉体が損傷など刺激が与えられたときに生体内で合成・分泌される物質である。

実際にはプロスタグランジンには細かく11種類ほど細かく細分化されている。

 

PGA:血圧低下作用のみ

PGB:血圧低下作用のみ

PGC:血圧低下作用のみ

PGD2:血小板凝集作用・睡眠誘発作用(PDD受容体)。

PGE1:動脈管開存作用、子宮収縮作用。

PGE2 平滑筋収縮作用(EP受容体EP1サブタイプ)

   末梢血管拡張作用(EP受容体EP2サブタイプ)

   発熱・痛覚伝達作用(EP受容体EP3サブタイプ)

   骨新生・骨吸収作用(EP受容体EP4サブタイプ)。

 

PGF2α:黄体退行・平滑筋(子宮・気管支・血管)

    収縮作用(FP受容体)。畜産においては繁殖に利用される。

PGG:血圧低下作用・血小板凝集作用・眼圧降下作用

PGH2:血小板凝集作用

PGI2:血管拡張作用・血小板合成阻害作用(IP受容体)。

PGJ:抗腫瘍作用のみ

       Wikipediaより引用

 

  簡潔に言えば、ケガをしたときに血圧を下げ、血管を収縮させることで、血液の流出を防ぐ働きをします。同時に血小板が傷口にある血管を塞ぐ働きをする

 

発痛物質としての働きもする。

プロスタグランジンの中のPGE2-EP3サブタイプには発熱・発痛の作用がでます

 

 

理由は定かではありませんが、炎症反応に伴ってPGE2-EP3が生成されます。

 本来であれば痛みがある間はゆっくり休むために生体のメカニズムとして組み込まれていますが、現代社会では、なかなかゆっくり休む機会に恵まれていないのが現状です。

痛みに耐えて活動している人が常に一定数います(そのために解熱・鎮痛剤があるのですが)。そのため、炎症が収まらず痛みのストレスから神経の興奮が続き、痛みが憎悪する場合さえあるのです。

 

そのため解熱鎮痛剤を賢く使用する必要が出てきます。

 

 

【生理痛も鎮痛剤が有効】

 

プロスタグランジンは基本的には不随意筋(平滑筋)平滑筋収縮には作用しません。しかし、頭痛・子宮・歯・関節の神経系及び平滑筋にはプロスタグランジンが作用し痛みが発生します。

 

生理痛による痛みはイブプロフェンが効きやすい。

イブプロフェンは作用が子宮に移行しやすく、生理痛の痛みに効果を発揮しやすくなっています。そのため生理痛には、イブプロフェンが入っているものを選ぶ必要があります。

 

【眠くなる成分】

 

 眠くなる成分には「眠くなりやすい成分」とは、ブロムワレリル尿素アリルイソプロピルアセチル尿素が主な成分となります。

 これらは鎮静薬に分類される成分で、脳の興奮を抑え、痛覚を鈍くする作用があると言われています。そのため鎮静作用から、脳の働きが鈍化しやすくなります。

眠くなると日常生活に支障をきたすため、市販薬では、同時にカフェインを添加して眠気を抑えています。

 鎮静剤で眠気は出るものの、興奮は抑えます。その状態でカフェインを摂取して興奮を促しても、鎮痛作用はどうなるのか。についてですが、カフェインの興奮作用はプロスタグランジンの生成を促すものではないため、カフェインの興奮作用で痛みの増強はありません。また、カフェイン自身に弱いながらも鎮痛効果を有しているため、ロキソプロフェンやイブプロフェンなどの解熱鎮痛剤と相性は良くなります。

 

【カフェインの副作用】

 カフェインには胃酸の分泌を促進する働きがあるので胃酸が胃壁を刺激することで、胃が荒れてしまう原因になります。そのため胃を保護する成分入りの痛み止めや別途胃薬を服用する必要があります。

 

【胃を保護する成分(制酸剤)】

 制酸剤と呼ばれる胃酸を中和する成分は(酸化マグネシウム、合成ヒドロタルサイト)があります。市販薬でもイブクイック頭痛薬に制酸剤が含まれています。別に胃薬を服用する手間がないので、少し価格は高めですが携帯用としてお勧めしてます。

【指定第2類医薬品】イブクイック頭痛薬 40錠 ※セルフメディケーション税制対象商品

【指定第2類医薬品】イブクイック頭痛薬DX 40錠 ※セルフメディケーション税制対象商品

 

【最後に】

 プロスタグランジンの発痛物質については、上記に記載した通りPGEーEP3サブタイプのみに発現する。しかし解熱鎮痛剤にはPGEーEP3サブタイプに選択的に作用する薬が見つかっていないのが現状である。そのため胃の保護作用も抑制してしまうので、胃粘液保護成分の入っている胃薬を使用して上手く解熱鎮痛剤を活用してほしい。