深淵が深遠しているブログ

個人的にヘルスケア・フィットネスについて思いつく限りに語っていきます。

筋肉を発達させることについて(遺伝子編)

 

ジムで筋トレを始め、2か月~3か月経ったころ、ようやく筋トレに慣れてきた頃かと思います。

 慣れてくるとジム内にいる会員メンバーが視界に入ってくると思います。

 順調に筋肥大を起こし、筋肉を育てている方もいれば、2~3か月間全く変化がない中肉中背の方もいます。さらにはスリム体型を越してガリガリな超スリム体型の方もいます。

 

ジムに通っている方は、

①ボディメイキングをしたメリハリのある体を目指している方と、

②体脂肪を度外視したとにかくデカい体を目指している方(主に男性)、

③メリハリは二の次でとにかく痩せたい、体重を落としたい方(主に女性)

 

に概ね分かれてきていると思います。

 

しかし、実際順調に体型が変化している方は割合的にかなり少数かと感覚的に思われます。

感覚としては10~20%ほどでしょうか。(某有名ジム)

それ以上に、週に1回未満の半幽霊会員、ひと月に一回来るか来ないかの幽霊会員が20~30%ほどいらっしゃいます。

そんな中で、週に2回以上ジムに行けている方は努力の素質があります!

ぜひ継続しましょう!

しかし、実際のところ継続できていても全く体型が変わらない。「夏が来るのになかなか痩せない」、「メリハリのある肉体美が作れない」、といった悩みの方が過半数と思われます。

 

 

実際に自分に合っている体づくりは何なのか。ということです。

そこで、自分に合っているトレーニング方法を遺伝子レベルで見る必要が今後は出てきます。

 

遺伝子検査で運動に関する遺伝子検査はすでに何社かから販売されてます。

DNA EXERCISE|エクササイズ遺伝子検査キット- ハーセリーズ・オンライン

 

スポーツ関連遺伝子検査キット|遺伝子検査のジーンライフ

 

私の場合は、DNA EXERCISE遺伝子検査キットを使用しました。

 

 

項目については3つ

  1. ACTIN3
  2. ACE
  3. PPARGC1A

 1.CTIN3遺伝子

 白筋が成長しやすいか、赤筋が成長しやすいか。

2.ACE遺伝子

 血管収縮に関する遺伝子。血管拡張タイプか血管収縮型か。

3.PPARGC1A遺伝子

 筋肉内のミトコンドリアの増殖能力に関する遺伝子。ミトコンドリアが増殖しやすければ相対的にエネルギー生成量が増える。

 

結果についてだが……。

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【ほぼ完全な持久力タイプ】

でした。趣味が筋トレなので全く遺憾ではありますが、特徴を少し詳しく見ていきます。

 

1.ACTIN3遺伝子

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今回はXX型ということになりました。

どういうことかというと、R/R型が多型の中で遺伝的に通常の遺伝子配列。XX型は遺伝子上に変異があり、「終始コドン」として置き換わり、ACTIN3を作ることができないタイプになります。R/X型は、片方が変異している「ヘテロ」の状態なので、actin3は存在します。

下記にスポーツ医学の権威、石井直方さんの文章を記載します。

ACTN3 には、α-アクチニン3のアミノ酸配列の中で577番目のアルギニン(R)の暗号となるべきところが、「暗号の読みとり終了指令」(X)に置き換わってしまう変異が30~40%という高頻度で存在します。このような場合、正常な遺伝子を「R」、変異をもつ遺伝子を「X」と略称します。したがって、私たちがもつ遺伝子型には、「RR」(ホモ)、「RX」(ヘテロ)、「XX」(ホモ)の3通りが生じます。XX型では、正常なα-アクチニン3はつくられませんが、α-アクチニン2が肩代わりをすることで、筋線維としての機能は維持されると考えられています。オーストラリアのYangら(2003)は、さまざまなレベルの運動選手を対象として、ACTN3 の遺伝子型の頻度を調べ、次のような結果を報告しています(RR:RX:XXのおよその存在比で示す。男女とも同じ傾向):一般人で3:5:2、オリンピックレベルのスプリント/パワー系選手で5:5:0、オリンピックレベルの持久系競技選手で3:4:3。この結果から、少なくともひとつのR遺伝子を持っていることが、スプリント/パワー系競技には有利にはたらくことが示唆されます。 

 

 つまり、ACTIN3が作られない場合、赤筋にも存在するACTIN2が重畳的に配置され、ACTIN3の代替役として、働いてくれているわけです。しかし、ACTIN2はACTIN3よりも高負荷には対応しにくいということなので、筋肥大は比較的穏やかになります。

 また、ここで注意してほしいのが、ACTIN3が存在しないのであって、【筋肉の中の速筋繊維の割合が少ない】とは限りません。

 内容は後日掲載いたします。

 

 

 

 

次は順に

ACE遺伝子

PPARGC1A

の順です。

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ACE遺伝子はⅠ/I型でした。この遺伝子は運動時に血管を収縮させるか、拡張させるかですが、こちらの遺伝子は一長一短です。

I/I型は血管を拡張させることにより、酸素や栄養素を循環させたり、疲労物質お押し流す働きがあるので、低強度~中強度および酸素を使う長時間(数分~数時間)の連続した運動に効果を破棄します。

 例:マラソン・ロードレース・サッカーなど

反対に短時間(数秒~数十秒間)の高負荷では最大限の力は発揮しにくくなります。

 例:陸上100M走、投擲、ウエイトリフティングなど

I/I型の最大のメリットは、時間経過で疲労が回復したり、運動時や運動後に呼吸を整えやすいというメリットがあります。

D/D型は運動時、血管を瞬間的に収縮させることにより、瞬間的に酸素や栄養素(グリコーゲン)を運ぶことができるので、瞬発系競技者は圧倒的なパフォーマンスを得ることができます。

 デメリットとしては、運動後の疲労感を抱えやすいので、インターバルを長く取らなければなりません。また、瞬発系競技ではない種目ではバテやすく、最後までパフォーマンスを発揮できないことがあります。

I/D型は血管拡張能として働くので、どちらかといえば持久力系種目または球技などの中長時間一定のパフォーマンスで動き回る種目が向いています。しかし血管拡張能も緩やかなので、マラソンなどの有酸素種目を長時間行うとI/I型よりも疲労の蓄積度合いが高くなります。

 

ACE遺伝子は瞬発系競技者でも、インターバルを短くしても回復が比較的早くなるので、瞬発系競技者はI/I型、D/D型の良さが出てきます。

I/I型はインターバル短めかつ中長距離、D/D型はインターバル長めかつ低中距離だと成果が出やすい傾向があるので遺伝子結果によってトレーニングを工夫するとより成果が出ると考えられます。

 

 

最後はPPARGC1A遺伝子です。この遺伝子はPGC-1α活性に関する遺伝子です。

活性が高いと、ミトコンドリアの活動や増殖能が上がり、エネルギーの産生・消費が増加します。

その為、変異のない G/G型が最も活性が高く、S/S型が活性が低くなります。

この遺伝子の大きな特徴が運動に対する「慣れ」に影響しています。G/G型は活性が高いので、ミトコンドリアの増殖に伴てエネルギーの産生が運動量の消費に対し追いついていくので、結果的にハードは運動にも耐えやすくなります。

反対にS/S型はきつい運動をしてもミトコンドリアはそれほど多く増殖しないので、なかなかすぐに運動に慣れにくい特徴があります。

S/S型の例は特に学校教育の体育の授業に見られます。

一週間のうち体育は数コマ(数時間)のみなので、運動量が少ないため、ミトコンドリアが増殖しにくいうえ、増殖しても、活性が戻りやすいので、いつまで経っても運動が苦手なままな傾向があります。

 もちろん運動頻度や運動強度を段階的に上げていけば、エネルギー産生を増加させることができるので、運動がだんだん楽になっていきますが、その道のりはG/G型よりも工夫と努力が必要になってしまいます。(つまりS/S型は短期決戦系の競技が向いている傾向あり)

 

ただ、実のところ、ミトコンドリア活性について、G/G型とS/S型がどれくらいの活性があって、何倍の努力の差があるかは個人差があります。

というのも、筋肉に関する遺伝子は多くあるので、それらが関与して一人ひとりの個体差となって現れます。

 

 最終的には遺伝子によって比較的どういった運動が得意かの傾向はつかめますが、プロのレベルにならないとその差は最終的に確認しづらいということです。

 何かしらの競技を行っている方は検査することを推奨していますが、一般の方やジムでボディメイクをしている方も遺伝子検査をすることで、自分のカラダをよく知るきっかけとなります。検査は概ね7000円程かかってしまいますが、一度調べるだけでその後遺伝子は変化することがないのでコスト的にはいいと思います。

ぜひ一度検査をしてはいかがでしょうか。